航空自衛隊 バッジシステム


バッジ(BADGE)システム
バッジ(BADGE)は、Base Air Defense Ground Environmentの略。
自動化した航空警戒管制組織で、指揮命令、航跡情報などを伝達・処理する全国規模の指揮通信システム。
自動警戒管制組織(バッジ・システム)は、全国の指揮所やレーダーサイトなどにより構成されており、防空作戦や対領空侵犯措置などにおける「眼」、「神経」、「頭脳」としての役割を担う。
 航空自衛隊のバッジシステム(第一次)は、日本アビオニクスが防衛庁から主契約会社として受注したシステムで、日本初の大規模オンライン・リアルタイム・全国ネットワークシステムでもある。

航空自衛隊の防空要領
1. 航空警戒管制部隊のレーダー(や早期警戒機など)により、我が国周辺のほぼ全空域を常時監視し、侵攻してくる航空機などをできるだけ早く発見する。
2. 自動警戒管制組織(バッジシステム)などにより、目標が敵か味方かを識別し、要撃戦闘機又は地対空誘導弾部隊に対し、それぞれが対処すべき目標を指示する。
3. 航空警戒管制部隊などにより目標に向けて誘導された、要撃戦闘機又は地対空誘導弾部隊が目標を迎え撃つ。

バッジシステム(第一次)の時代
航空警戒管制部隊は、レーダーサイト、早期警戒機 E-2C
要撃戦闘機は、(F-86F)、F-104J、F-4EJ、(F-15J)
地対空誘導弾部隊は、(ナイキアジャックス)、ナイキJ、ホーク(陸上自衛隊)、(パトリオット)
などであった。

当初は、地上のレーダーサイトのみであったが、ミグ25の函館空港着陸事件の教訓から、早期警戒機 E-2Cが導入されている。

歴史
1968年3月29日 第一次バッジシステム(自動防空警戒官制組織)完成
1969(昭和44)年3月26日 バッジシステム運用開始
1989(平成元)3月30日に、第二次バッジシステムへの更新。(NEC)が受注
2006年(平成18年)、第三次バッジシステムへの更新。

第三次バッジシステムの概要

 軍事科学技術の進展に対応した兵器の能力向上は、既存のシステムの能力向上を促す。にわとりが先か卵が先かという議論があるが、軍事技術も常に陳腐化にさらされている。また、周辺諸国の軍備の近代化・強大化に対抗するためその内容は高度になり、限りない軍備拡張を促される。自衛隊の装備も例外ではない。将来においても引き続き有効な航空警戒管制機能を確保すると称して、最新の技術を活用した航空警戒管制機能の構成や器材などのリニューアルや、近代化を進めている(=膨大な国費の消費)。

 近代化の内容は、データ処理・通信能力を向上させることや、高速で機動の激しい目標に対する追尾能力を向上させるほか、システムに拡張性を持たせ、将来の性能向上や機能付加を柔軟に可能とするものなどだ。これらは周辺事態法の制定を受けて、米軍の再編・ミサイル防衛計画への対応を盛り込んだもので、北朝鮮や中国、ロシアとの対抗軸を構築することや、機動性・拡張性をバッチシステムの面から保証しようとする動きである。このような考え方で予算を使っていては、限りある国家予算が破綻するのは目に見えている。軍事力によらない安全保障を考えてみてはどうだろうか。近代の国際紛争は局地化しており、テロなどの破壊活動に対処するにはここで紹介したバッチシステム・防空装備などは果たして有効だろうか。

(バッジ・システムの近代化)

(上)バッジシステムの近代化(2002資料)、防衛庁ホームページより 2006/09/28現在

新自動警戒管制システム「JADGE」初配備 朝雲07年3月29日付けより)

JADGE(Japan Aerospace Defense Ground Environment)が07年3月20日に入間基地に配備された。同日、領収記念式典が中空司令部などで行われた。同システムの空自領収は初めて。JADGEはBADGEシステムの機能・性能を向上させたもので、陸海空各自衛隊の多種多様なシステムとネットワークを構成、統合作戦の要となる総合指揮統制システムとして、統合運用や新たな脅威への対応能力、機能が付加されている。今後は各方面隊に整備、空自の作戦運用の基盤システムとなる。式典に出席した外薗中空司令官のあいさつの中で「将来的には弾道ミサイル防衛をはじめとする自衛隊の統合運用のC4ISRの骨幹システムとなるもの」と述べた。このシステムを受注したNECの藤江一政副社長が祝辞を述べた。テープカットは入間基地2号庁舎で行われた。プログラム管理隊が開発に参画。

 

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